0νββ(二重ベータ)崩壊の探索

ニュートリノは電荷が無いため、それ自身が反ニュートリノである可能性があります。もしそうならば、我々をとり巻く世界、そして宇宙が反物質ではなく物質だけで出来ている事実が説明できるのではないかと考えられています。またこれまでのニュートリノ実験で明らかになったニュートリノ振動では、異なる種類のニュートリノの質量の違いが分かっただけで、絶対質量は未だ謎に包まれています。この2つの難問を一挙に解決するかもしれない現象が、ニュートリノを出さないニ重ベータ崩壊(0νββ) と呼ばれる、ある種の原子核の崩壊です。しかしこの崩壊反応はあまりにも長寿命で、確たる発見例はありません。力ムランドは、この0vββ 崩壊事象を観測するのに必要不可欠な極低放射能環境をすでに実現し、0νββ崩壊を起こすと考えられている核種を大量に保持可能な体積を有しているため、他の実験グループの計画と比較し、より早く、より低いコストで実現できると考えられています。

これまでの開発研究により、力ムランドで最も適している核種は136Xeであると考えられていますが、シミュレーションを用いた実験環境の最適化などが精力的に進められています。

シミュレーションによるカムランドの感度計算
90%の濃度に高められた136Xeを200kgカムランドに溶かし、2年間観測した場合に予題されるエネルギースペクトル。ニュートリノの絶対質量を0.2eVと仮定している。