神岡·検出器について 4

このステンレスのタンクと洞窟の壁の間には、3,000 立方メートル(3千トン)の純水が満たされており、タンクは、完全に水の中に沈んでいます。250 本の光電子増倍管がこの水の中に沈められており、水の中を睨んでいます。この水の層は2つの役目をします。 一つめは、宇宙線が入ってきたかどうかを知ることです。地下1,000 メートルでも、宇宙線は、平均3秒に1回検出器に入って来ます。検出器本体は完全に水の中に沈んでいるので、宇宙線は、検出器にとどく前に水の部分を通ることになります。そうすると、宇宙線は水の中で、チェレンコフ光を出すので、それを水の中に沈めた光電増倍管で検出することで、宇宙線が入って来たかどうかを知ることが出来るわけです。

宇宙線が入って来たら、その時にニュートリノ検出器で発生した信号は、宇宙線が作ったものである疑いが残るため、潔く捨ててしまうのです。 この水のもう一つの役目は、岩石から来るガンマー線を止めることです。 岩石や、土の中には、ウラン元素が約 0.0001 パーセント(1ppm( ピーピーエムと読みます )。)含まれています。このウラン原子核は、ほうっておくと、どんどん壊れて行って、壊れる際に放射線であるガンマー線や、ベータ線やアルファー線を発生します。このうちガンマー線は貫通力が強いので、ステンレスのタンクの壁を通過して、液体シンチレーターの中まで入って来ることがあります。そうすると、そのガンマー線は、液体シンチレーターの中で反応を起こし、ニュートリノ信号と間違ってしまう可能性が出てきます。1kg の岩石では、1秒間に10 個くらいのガンマー線が発生しています。カムランド測定器が入っている洞窟の廻りの岩石で、そのようなガンマー線が出てくる可能性のあるものは、何千トンもあるので、毎秒何千万個ものガンマー線が発生していることになります。しかし、このガンマー線は、タンクと岩盤の間にある水と、バッファーオイルで、遮蔽されて、バルーンに届くころには十分弱くなるわけです。 このように、カムランド検出器は、何重にもなった層構造をしており、内側に行くにつれ、雑音信号が少なくなる構造をして