神岡·検出器について 1

カムランド検出器は岐阜県神岡町の神岡鉱山の地下 1,000メートルに掘られた直径 20 メートル、高さ 20 メートルの円筒形の大きな洞窟の中にあります。なぜ地下深くに検出器をおくかというと、地上では、宇宙線といる粒子が多量に降り注いでいて、微弱なニュートリノの信号を捕まえる時に邪魔になるからです。 宇宙線とは、宇宙空間を飛んで来た高いエネルギーの陽子などが、地球の空気の原子核と衝突して壊し、その結果発生したミュ-粒子などの素粒子が、地表に降りそそいでいるものです。その量は、1平方センチあたり、1分に1個くらいです。 宇宙線は、地上に万遍なく降りそそいでいます。 手のひらを広げてみて下さい。宇宙線は見えませんが、その手のひらを一秒に1個くらい宇宙線通過していることになります。(これくらいの量だと体に全く害はありません。) カムランドのように、直径13メ-トルもあるニュートリノ検出器を地上に作った場合、毎秒 10万個もの宇宙線が入ることになり、1日に2個しかないニュートリノによる信号を隠してしまいます。 地下 1,000メートルでは宇宙線は土や岩で遮蔽されて、地上の10万分の1になります。

ところで、カムランドがある洞窟には、1997年まで東京大学の「カミオカンデ」という実験装置がありました。このカミオカンデでは、1987年に超新星から来るニュートリノを捕まえたり、太陽から来るニュートリノを捕まえたりと多くの発見がありました。この業績により、東京大学の小柴名誉教授が2002年のノーベル物理学賞を受賞しました。   東北大学ニュートリノ科学研究センターでは、東京大学から、このカミオカンデ検出器をを譲りうけ、鈴木厚人教授を中心として、その跡地にさらに高精度のニュートリノ検出器を建設することになりました。 それがカムランドです。