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ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊事象の探索を目指し、750 kg のキセノンを用いて行われてきたKamLAND-Zen 800 実験は、2019年の実験開始から約4年の実験期間を経て2024年1月12日に終了しました。2023年に発表した結果では崩壊の半減期に対して世界で最も厳しい制限を与え、世界の競合実験に先駆けてマヨラナ質量の逆階層構造領域の検証を開始しています。 今後は更なる高感度化によるニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊事象の発見に向け、検出器の改善を伴う「KamLAND2」実験開始の準備を進めていきます。本計画は文部科学省の定める学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 (ロードマップ2023) に選定されています。また、大阪大学との大学間連携による神岡極稀現象研究拠点 (KERNEL) を発足し、本年中に神岡構内に整備するスーパークリーンルームを中核として国際的な共同利用・共同研究を推進していきます。
関連リンク ✲ KamLAND-Zen800の論文 掲載誌: Physical Review Letters タイトル: Search for the Majorana nature of neutrinos in the inverted mass ordering region with KamLAND-Zen DOI:10.1103/PhysRevLett.130.051801 ✲ 学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/1423056_00026.htm