KiNOKO ニュース 2004 年 7 月 7 日

Version 1.0 Release 3 公開

2004年7月7日,KiNOKO Version 1.0 Release 3 (V1.0R3) を公開しました. V1.0R3 版は以下からダウンロードできます.
http://www.awa.tohoku.ac.jp/~sanshiro/kinoko/Download/Download.html
以前の版 (Version 1.0 Release 2) からの主な変更は以下のとおりです.
スクリプト機能の強化
以下の組込み関数,組込みクラスが追加されました.
  • 数学関数 log10(double x), atan2(double y, dobule x)
  • 文字列処理関数 substr(), index(), chop(), chomp()
  • リスト処理関数 length(), min(), max(), sum(), mean(), rms()
  • InputPipe, OutputPipe クラス

foreach 文が強化され,リストの値に加えてキーやインデクスも同時に取得できるように変更されました.

Formatter クラスに書式指定メソッド scientific() と fixed() が追加されました.

Scanner クラスに getLine() メソッド,skipWhiteSpace() メソッドが追加されました.

tinykinoko の改良
引数のデータファイル名を省略できるようになりました.データファイル名を省略した場合,データの書き出しは行なわれません.スクリプトのテストなどに便利です.

--time=SEC オプションで,データ収集を行なう時間を指定できるようになりました.

データソースIDの決定に,データソース名(またはスクリプト名)の CRC を使うように変更しました.これにより,何度実行しても毎回同じデータソースIDが割り振られるようになります.

読み出しスクリプトの改良
レジスタ操作にビット論理演算 (and/or/xor/shiftLeft/shiftRight) が追加されました.

数時間以上の長い周期でトリガを発行するソフトウェアタイマモジュール CuckooClock が追加されました.

描画系の改良
軸の目盛付けがかなりかしこくなりました.

軸のタイトルに特殊文字の表示や上付き下付きなどができるようになりました.

プレインテキスト型式のビューリポジトリで gzip 圧縮ができるようになりました.

kinoko-check-config ユーティリティを追加
Kinoko の実行にかかわるさまざまな情報を収集するシェルスクリプトです.トラブルシューティングに役立ちます.

バグフィクス等
最近のスレッドライブラリを使用したときにコントロールパネルが固まる障害が修正されました.

iostream ライブラリに ANSI C++ に規定されている新しい型式のものを使うように変更しました.

ドキュメントを加筆

リファレンスマニュアル
あらたにリファレンスの章を追加しました.標準モジュールドライバリファレンス,標準コンポーネントリファレンス,コマンドリファレンスから構成されますが,いまのところモジュールドライバリファレンスのみが利用できます.モジュールドライバリファレンスには,標準で利用できる全てのモジュールについて,全てのメソッドの説明と使用例があります.

現在の KiNOKO でいちばん不足しているのはドキュメント類です.KiNOKO をいろいろな実験や測定などに使ってみた方は,その使用例や KiNOKO 自体の使い方などの解説を Web で公開したりなど,ドキュメント類の充実にご協力ください.


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