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素粒子物理学による物質の根源や自然法則の根本原理の探究及び宇宙物理学による宇宙の起源・進化・終焉の探究は、有史来、人類に課せられた課題である。そして、この課題を究明すべく素粒子物理学の実験的研究は、大型加速器を用いた超高エネルギー現象や、地下に設置した大型検出器による、超低エネルギー現象を研究する、両極端のエネルギー・フロンティアを目指す方向に進んでいる。本研究は、この一端である超低エネルギー・フロンティアを先導するもので、超微弱な素粒子、特にニュートリノや反ニュートリノ反応を検出することによって、素粒子物理学並びに密接に関連する宇宙物理学、地球物理学の最重要課題を究明するニュートリノ科学の研究を推進するものである。

これらの研究を遂行するために、液体シンチレータが持つ大発光特性と反ニュートリノ現象の識別能力を利用して、1000トン液体シンチレータ検出器を建設する。そして、岐阜県神岡町の神岡鉱山の地下1000mにある3000トン陽子崩壊実験装置を、新技術の導入によって世界で例のない極低放射能環境空間に改善し、この環境空間内に1000トン液体シンチレータ検出器を設置する。この方法によって、これまで実現しなかった100キロ電子ボルトまでの超低エネルギー素粒子、ニュートリノ反応の検出を可能にする。

本研究装置内の1000トン液体シンチレータ検出器内は世界で例のない、地表における環境放射能の1億分の1から100億分の1の極低放射能環境空間に改善される。そして、これまで環境放射能に邪魔されて検出が不可能であった微弱現象の検出が可能になり、素粒子物理学、宇宙物理学、地球物理学の他にも新しい研究領域が開拓される。特に、生物発光や細胞発光等の微弱発光現象の検出、生体や物質中の微量放射性元素の検出は、工学、生物学、核医学の基礎及び応用研究に新しい研究手段を提供するものと期待される。