太陽7Beニュートリノの観測

太陽の中心では核融合反応によってエネルギーが発生しています。 核融合反応によって4つの水素の原子核(陽子)は1つのへリウムの原子核となり、このときに陽電子とニュートリノも発生します。地球上には1cm²あたり1秒間に660億個もの太陽ニュートリノがやってきています。 太陽ニュートリノは発生するときの反応によって異なったエネルギーをもっていますが、カムランドでは7Beニュートリノと呼ばれる低いエネルギーをもつニュートリノの検出を目指しています。 7Beニュートリノは、スーパーカミオカンデやカナダのSNO実験で観測された8Bニュートリノの1000倍近い数が発生していると予想されていて、太陽中心部の様子をより詳しく知ることができると期待されています。 また、これまで解明してきたニュートリの性質を考慮して解析する事で、核融合反応に影響する太陽内部に含まれる重元素の割合など天体内部の反応の研究に生かす事が出来ると考えられています。

太陽ニュートリノの検出は液体シンチレーター中の電子と反応現象を探して行いますが、このときの液体シンチレーターの発光は1度きりのため、他の邪魔物反応による発先と区別がつきません。特に液体シンチレーターに含まれる微量の放射性元素(鉛やクリプトンなど)が大敵で、これらは7Be太陽ニュートリノの予想観測数に比べて5桁~6桁も多いため徹底的に除去する必要があります。数年の開発研究の結果、蒸留法と窒素ガスによるパージ法が有効であることが判明しました。これに基づいてカムランドエリアに純化装置が設置され、力ムランド検出器の感度を飛躍的に高める努力が続けられています。

太陽内で起きる主要な核融合反応の反応チャート(pp-チェイン)

いろいろな太陽ニュートリノのエネルギースペクトル

抗内に設置した純化装置の一部
中央に写っているのは純化装置の中心となる蒸留装置(重元素除去装置)

現在のカムランドで観測されるエネルギースペクトル
黒線は現在の観測結果。色のついた線はノイズ事象を表し、赤で示された領域は7Beニュートリノを観測した場合に現れるスペクトル。