神岡·検出器について 3

このバッファーオイルと液体シンチレーターが入ったバルーンは、直径 18メートル、体積 3,000立方メートルのステンレスの球形タンクに入っています。このタンクは外側から見ると、地上のいろいろな所にある、緑色の丸い大きなガスタンクにそっくりです。ただし、ガスタンクと違って、錆びないように、ステンレスでできています。 新聞には「まるでスイカ」とか、「地底基地のよう」などと表現されました。

このタンクの内面の広さは、1,000平方メートルほどあります( テニスコート4面分 )。ここには直径が 50cmの、光電子増倍管という電球のオバケのような光検出器が約1,879 個ビッシリと敷き詰められています。このうち、1,325個の光電子増倍管は、東北大学が新たに開発した、高精度光電子増倍管です。この光電子増倍管は、一個一個の光の粒( 光子 )を捕らえることが出来るほど感度の良いものです。 光が光電子増倍管のガラスに入ると、その内側に塗られた電子を出しやすい物質からたった一個の電子たたき出されます。光電子増倍管の中では、この電子を1千万倍に増幅して、電気信号としてお尻に繋がれてている電線ケーブルに電気信号として出します。この電気信号は、このケーブルにより、タンクの外にある電子回路に送られます。 この電気信号の大きさは、 1mV ( 1ボルトの千分の一 )くらいです。

この光電子増倍管では又、光子が到着した時間を正確に計ることも出来ます。 その精度は、1ns ( ナノ秒=0.000000001 秒 )程度です。これは、1秒間に地球を7周半する光でさえもたった30cmしか進めない時間です。カムランドでは、ニュートリノの反応により光が発生してから、光電子増倍管に届くまでの時間の遅れを測定して、ニュートリノ反応が風船の中のどこで発生したかを知ることが出来ます。これだけ大きく、これだけ高性能をもつ光電子増倍管は他に無く、世界で一番性能の良い光検出器であると言うことが出来ます。