神岡·検出器について 2

カムランドでは、1,000 トンの液体シンチレーターを使ってニュートリノを捕まえます。 液体シンチレーター中で素粒子反応が起きた時出す光の量が、カミオカンデの場合のチェレンコフ光と呼ばれる光に比べ、桁違いに多いので、より低いエネルギーのニュートリノまで捕まえることが出来るのです。 自然界にあるニュートリノの量や種類は、エネルギーが低いほど多くなるので、より低いエネルギーのニュートリノを捕まえることが出来るということは、新しい種類のニュートリノを捕まえることが出来るようになるということです。

このような液体シンチレーターを1,000 トンも使った素粒子検出器は他には無く、カムランドは世界で最大で、最も放射能の少ない素粒子検出器です。

1,000トンというと、ちょっとした船くらいの重さですが、この液体シンチレーターは、厚さがたったの 0.135 ミリの透明な特殊フィルムで出来た直径13メートルの丸い風船(バルーンと呼んでいます)の中に入っています。こんなに薄いフィルムで 1,000 トンもある液体を支えることは出来ないので、このバルーンは、油の中に浮かせています。この油もやはりパラフィンオイルです(我々はこれをバッファーオイル(緩衝油)と呼んでいます)。バルーンの外のバッッファーオイルと液体シンチレーターの密度の差は、0.1%以下になるように調整されています。その結果、バルーンに掛る重さは、1トン以下になります。  それでも車1台分くらいの重さがかかる可能性があるので、さらに強度を強くするためにこのバルーンはケブラーと呼ばれるスーパー繊維で出来た網の中に入れられ補強されています。ちょうど網に入ったボールのイメージです。

ケブラーという繊維は強度が非常に強く、防弾チョッキにも使用されています。もちろんバルーンも、ケブラーの紐も徹底的に掃除をして、放射能を少なくしています。