研究成果

博士・修士 論文発表会 2023
修士課程2年: 二木 佐和子 (KamLAND)

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修士課程2年: 二木 佐和子 (KamLAND)   発表:2022年1月31日

『KamLAND のための新型及び現行フロントエンド回路 混合系における トリガーシステムの研究開発』

論文概要

KamLAND は世界最高感度を誇る液体シンチレータ検出器である。 しかし、現在 KamLAND では現行フロントエンド回路の老朽化が問題となっている。 そこで、KamLAND の次世代検 出器KamLAND2に向けて開発中の新型フロントエンド回路を、KamLAND 実験に先行投 入することが検討されている。 これにより、現行フロントエンド回路を補完できるだけでな く、同時にデータ取得性能の向上が見込める。 しかし、半導体不足や円安の影響により、十分 数の新型フロントエンド回路の入手が困難な状況にある。 そのため、フロントエンド回路の 全面置き換えではなく、現行フロントエンド回路と新型フロントエンド回路を混合で運用 することを目指す。 本研究ではまず、現行及び新型フロントエンド回路混合系開発における 問題点を確認した。 ここでは、現行フロントエンド回路と新型フロントエンド回路のトリガ ーシステムの統一及び同期動作、そして、両フロントエンド回路の Hit 情報の結合方法が課 題となる。 次に、これらの問題点に対する解決策を考案し、フロントエンド回路混合系のデザ イン案を提案した。 最後に、現行及び新型フロントエンド回路と共通 CLK/ 共通トリガーモジ ュールからなるシステムを構築し、フロントエンド回路混合系での実験的検証を行った。 その結果、 新型フロントエンド回路が外部モジュールで動くこと、また、フロントエンド回路混 合系のCLK系が同期していることを確認した。また、両フロントエンド回路からの合計Hit 数を基にした波形取得が可能であることを確かめることに成功した。

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