研究成果

博士・修士 論文発表会 2023
修士課程2年: 中畑 豪 (KamLAND)

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修士課程2年: 中畑 豪 (KamLAND)   発表:2022年1月30日

『KamLAND2へ向けたフロントエンド回路の性能評価と最適化』

論文概要

ニュートリノは電荷をもたないため、マヨラナ粒子である可能性がある。ニュー トリノのマヨラナ性を検証する唯一の手法はニュートリノを伴わない二重ベータ 崩壊 (0νββ 崩壊) の探索である。0νββ 崩壊探索実験 KamLAND-Zen では、二重 ベータ崩壊核である 136Xe を液体シンチレータ検出器 KamLAND 内に導入し、観 測を行っている。さらなる高感度化を目指した KamLAND2 が将来的に計画されて いる。

現在 KamLAND ではデータ取得システムにおいて 2 種類のフロントエンド回路が 稼働しているが、KamLAND2 ではそれぞれの機能を 1 種類のフロントエンド回路 に統括して使用する予定である。そのフロントエンド回路には現行の性能をカバ ーするだけでなく、現行のフロントエンド回路における課題も解決することが要 求される。プロトタイプボードが作成され性能評価を行ったところ、アナログ回 路や ADC において大きな問題が見つかった。

本研究では要求の 1 つである「低ノイズなアナログ回路の実装」へ向けて、パ ーツ選定や回路構成の変更、デジタルローパスフィルタの導入により低ノイズ化 を目指し、アナログ回路の最適化を行った。さらに、最適化後の性能評価を行い、 アナログ回路が目標性能を満たしていることを確認できた。加えて、ADC の不具 合を修正し性能評価を行うことで、先行研究1 と合わせてフロントエンド回路に 対するその他の要求「ソフトウェアトリガ対応」「デッドタイムフリー性能の向 上」を満たしていることを確認できた。

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