研究成果

修士 論文発表会 2024
修士課程2年: 中島 梨花 (KamLAND)

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修士課程2年: 中島 梨花 (KamLAND)   発表:2024年1月31日

論文タイトル:『KamLAND2-Zen 実験へ向けた集光ミラーの研究と液体シンチレー タの性能評価』

論文概要
 KamLAND-Zen 実験では0ν2β探索を行っているが、未だ発見に至っていない。そこ で、光量増加と低バックグラウンドを実現させるKamLAND2-Zen 実験が計画され ている。本研究では、検出器にインストールするミラーの材質の選定と液体シン チレータの性能評価、KamLAND2-Zen実験のプロトタイプ検出器で行ったデータ解 析を行った。
 集光ミラーについては反射率測定と加速劣化試験を行い素材選定をした。それを 踏まえ多角形ミラーを作成してプロトタイプ検出器にインストールした結果、集 光量が増加することを確認した。
 また、液体シンチレータについてはまず性能評価を行った。液液抽出による純化 を行い、発光性能が低下しないことも確認した。また、液液抽出によって含水量 が増えることを考慮して窒素バブリング時間の最適化を行った。また、30 L 液 体シンチレータを作成し、液液抽出、窒素バブリングを行い、プロトタイプ検出 器にインストールした。また、KamLAND2-Zenプロトタイプ検出器に採用された液 体シンチレータに対する214Poのクエンチングファクターを求めた。2023 年4 月 から2023 年12 月までプロトタイプ検出器で測定したデータを解析し、液体シン チレータ中に含まれるTh濃度の上限値を求めることに成功した。