研究成果

博士 論文発表会 2025
修士課程2年: 古戸 敦也 (KamLAND)

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Furuto front
修士課程2年: 古戸 敦也 (KamLAND)   発表:2025年2月4日

論文タイトル:『超伝導検出器を用いた軽い暗黒物質探索』

論文概要
暗黒物質とは渦巻銀河の回転速度分布の観測や重力レンズ 効果といった現象からその存在が間接的に示されている物質 である。しかし、粒子として直接的に検出した確かな事実は存 在しない。現在多くの実験が探索している暗黒物質のモデル として Weakly Interacting Massive Particles(WIMPs) と呼 ばれる、標準模型の中の粒子と標準理論では説明できない未 知の「弱い」相互作用をすると考えられているモデルであり、 その質量領域は 10 GeV から 10 TeV までが予想されている。 しかしさまざまな実験が行われているにも関わらず、いまだに 発見されていない。そのような状況の中、近年 WIMPs の考 え方を拡張した新たなモデルが注目され始めており、このモデ ルでは keV から TeV までの広い質量領域が予想されている。 このモデルのうち、keV から GeV 質量領域を持つと予想され る暗黒物質のことを軽い暗黒物質 (Light Dark Matter:LDM) と呼び、近年の測定技術の向上や新たな検出器の開発に伴い、 さまざまな実験が行われようとしている。本研究は超伝導検 出器を用いた軽い暗黒物質探索やそのバックグラウンド評価 を目的としている。