研究成果

修士論文発表会 2026
修士課程2年: 庄司 龍之介

  • 研究成果

Shoji front
修士課程2年: 庄司 龍之介   発表:2026年2月3日

論文タイトル:『KamLAND2を用いた180mTa崩壊の探索感度評価』

論文概要
全宇宙で最も希少な核種であるタンタル180の核異性体は、天然に存在するほぼ 全量が基底状態ではなく励起状態にあるという特異な性質を有している。理論的 には崩壊すると予測されているが、その寿命は極めて長く、いまだ崩壊現象その ものが観測された例はない。本研究では、東北大学ニュートリノ科学センターの 次期計画であるKamLAND2を用いたタンタル180核異性体の崩壊探索について、そ の実現可能性を定量的に評価した。

KamLAND2へのアップグレードでは光量の増大に伴いエネルギー分解能が向上する ことから、バックグラウンドの中から微弱な信号を識別できる期待が高まる。シ ミュレーションによる評価の結果、線源配置の最適化によって現在の世界最高水 準を超える感度で探索できる可能性が示された。さらに大面積の線源を用いた場 合には、理論的に崩壊が予測されている未踏の領域にまで感度が到達すると見積 もられる。本研究により、KamLAND2がニュートリノ物理学のみならず希少現象の 探索においても有効なツールとなり、崩壊現象そのものを捉えられる潜在能力を 有していることが示唆された。