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修士論文発表会2017 狩野 祐喜

『KamLAND-Zen実験における宇宙線ミューオン起源の
バックグラウンド除去効率の改善』

修士課程2年 狩野 祐喜

 

論文概要

 素粒子の一種であるニュートリノには、わずかながら質量が存在するということ が明らかになっています。しかし、その質量が他の素粒子と比較して異常に小さ いことは十分に説明できていません。これを説明しうる性質としてマヨラナ性が あります。もしニュートリノがマヨラナ性を持てば、重い右巻きニュートリノを 導入することで非常に軽い質量を自然に説明でき、同時に宇宙物質優勢の理由付 けもできるようになります。

 KamLAND-Zen実験はキセノン136のニュートリノの出ない二重ベータ崩壊(0νββ)の 探索を通じてニュートリノのマヨラナ性を検証する実験です。液体シンチレータ を用いた大型の検出器であるKamLANDにミニバルーンとキセノン含有液体シンチ レータを導入することで、0νββの観測に必要な極低放射能環境を実現し、世界最 高感度を達成しています。



 KamLAND-Zenにおいて、炭素10の崩壊事象は無視できないバックグラウンドです。 炭素10 は宇宙線ミューオンが液体シンチレータ中の炭素12を原子核破砕するこ とで生成されますが、寿命が27.8秒と長いため、単独で除去することができませ ん。そのため、宇宙線ミューオン、炭素10の他に、原子核破砕の際に同時に生成 される中性子とタグすることで、除去効率は64±4%となっていました。

 本研究では炭素10の除去効率改善のため、宇宙線ミューオンが通った軌跡上で原 子核破砕が起こった位置(シャワー位置)を特定し、その位置との相関によって炭 素10バックグラウンドを除去する方法を開発しました。その結果、炭素10バック グラウンドの除去効率は79.4±9.1%に改善しました。大雑把な見積もりでは、中 性子タグとシャワー位置を用いた除去を組み合わせることで、炭素10バックグラ ウンドの除去率を87.0±22.5%にまで改善できると考えられます。

 

 

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